Eric Pan: “Borderless Collaboration, Grow the Difference” in Meiji University #fmsseeed
About me
皆さん、初めまして、潘昊(Eric Pan)と申します。大学の頃は自分で作る「Maker」でしたが、いまはMakerのためにサービスを提供するSeeedstudioという会社をやっています。
日本の大学でイノベーションについて話せるのはとても光栄です。
今日は、マーケティング、デザイン、エンジニアリングといったそれぞれの境界を越えて考え、協力しあうことで、イノベーションを生むことについて話します。
About Seeed Studio, Maker Business Pyramid
創業して7年、Seeedは世界のあらゆる段階のMakerにサービスを提供できるように成長してきました。
Seeedの社長として、またChaihuoというハッカースペースの創始者として、Makerさんの需要に応じて一生懸命頑張っています。
自分自身の経験として、以前は必要な部品が入手できない、テクノロジがないため、自分のアイデアを実際の製品として世の中に出せないことがあり、多くのアイデアが埋(う)もれてきたと思います。その状態をより改善するために、Seeedはサービスを提供しています。
このピラミッドは、「Seeedが考えるMakerの世界」です。
アイデアだけがあり、製品に相当するモノは作れない=Dreamer
ここから、キットやArduinoのようなプロトタイピングツールを使うことで、prototypeを作れるように成長します。
prototypeに当たるモノは作れる=Maker
そして、手に入るハードウェアとモジュールで、他人が使っても満足できるようなモノを作れるようになり、ベテランとなります。
1つだけなら、世に出せるクオリティのモノが作れる=Veteran Maker
このあと、この製品を量産して世に出すところにハードルがあります。1000個作れる、Kickstarterなどに出せる世界になります。
1000個ぐらいが作れる=Hardware Startup
小ロット生産ができると、世間に製品を出せるようになります。
10000個以上作れる=ハードウェア企業
これまでの会社は、ハードウェア企業を相手にビジネスをしていました。でもSeeedはKitの販売、モジュールの販売や、小ロット生産のサポート、多くの人が共通して使うような量産部品を自分たちの工場に確保するパーツリストの提供などで、あらゆる階層のMakerをサポートしています。
Cooperation with no limit
活動に限界はない。もっと早く、少ないリソースで、高いクオリティをだしていける
What is Maker? Over the Border.
テクノロジーだけで作られる製品は、ますます人の心を満足させられなくなっています。アートのようなものから始まり、実際のデザインとして結実し、テクノロジーによって実現され、企業によって世間に出されます。
でも、デザインとテクノロジーを結びつけ、人々の欲求(Demand)を満足させられる企業は少ない。ジョブズのような人は希(まれ)なのです。
また、製品は大ロットを必要とするので、コストの管理や生産管理が非常に重要です。
しかし、世界中の人を満足させるような大ロット生産は昔に比べると重要性が下がってきて、より個性的で細分化された欲求(Demand)を求める人が増えてきて、大衆には絶好のチャンスのようにも思います。
歴史的に見ると、あらゆる技術は大衆化されてきました。企業、技術、アートといったそれぞれの境界はだんだんぼんやりしてきて、大企業以外の人も、複数の境界をまたいでイノベーションを起こせるようになりつつあります。
Small team, Not Professional
ジョブズとウォズは1976年に初代のApple PCを、ホームブリュー・コンピュータクラブ(自作コンピュータクラブ)で世に出しました。
2009年にアダム、ザック、ブレの3人は、アメリカのあるハッカースペースで最初の個人用3Dプリンタを世に出しました
彼らには共通点があります。
・専門家の道具だったものを大衆化させ、ブームを引き起こしたこと
また、
・専門家(プロ)でない人たちからなる
・別々のタレントを持った
・少人数のチーム
だったことです。
2-3人のチームがイノベーションをはじめて、巨大な産業が生まれたのです。イノベーションを産む人も、どんどん「それまで専門家でなかった人」になりつつあります。
Supply chain to Demand Chain
ますますオープンソース化される知識と、デスクトップファブリケーションのツールは、あらゆる領域で、もっと多くのIndie Design (それまでとは違う、変わった成果物) を生むでしょう。
ソフトウェアではそれはもうあたりまえのものになっていますが、ハードウェアでも起こり始めています。
コミュニティの力を利用して開発やマーケティングをお互いに助け合い、クラウドファンディングで資金調達をして小ロット生産できるようになっています。
それまで離れていた、サプライチェーン(製品開発、量産、マーケティングといった供給側)はどんどん消費者と近づいていき、最終的には一体化して、みんなが欲しいと思うようなものはどこからか現れる、 Demand Chainとも呼べるようなイノベーションの形が生まれると思います。
カンブリア大爆発、ダーウィンの適者生存のようなイノベーション
Makerはますます増えるため、ますます多くの製品が生まれます。また、彼らの成果の多くはオープンソースになり、多くの派生形を生み出します。
まるで生物がだんだんと遺伝子を残し、たまに突然変異が起こり、適者生存によって進化が生まれるようになりつつあります。
Element Technology
これまで話してきたことは、遠い将来の話ではなく、実際に起こっていることです。あらゆる科学技術は、ますます簡単で使いやすくなり、デザインする人にとっては「ボタンを押す」ぐらいになっていくでしょう。
PCを自作してOSをインストールするぐらいに様々なIOT、スマートハードウェアが簡単に開発できるようになっていきます。
必要なセンサ、インターフェース、プロセッサ、通信モジュールを選び、3Dプリンタで外装を設計すればなんでもつくれるようになりつつあります。
これでスマートフォンも作れます。
To create chance ourselves
積極的に人間性を捧げることで自分でチャンスを作りだしていく
Beyond the Screens
いま私たちは、すごいイノベーションを見ているのです。これまでスクリーンの中を対象にしていたデジタルは、実際のモノも対象にしつつあります。
Makers Hollywood Shenzhen
深圳は世界の製造業の中心地となっていて、伝統的なサプライチェーンの成果が集積されていることで、イノベーションに必要な要素が揃っています。あらゆるモジュールが簡単に手に入り、どう使うかの知識も共有されていることで、この町では$12で携帯電話を開発し、販売することができます。
LinkIt One
これは、深圳の$12の携帯電話をオープンソースハードウェアとして再設計した製品です。だれでもこのKitをつかってオリジナルの携帯電話や、スマートハードウェアを作ることができます。MITの研究者Bunnieと協力して開発しました。
これはまだ、始まりに過ぎません。他のいろいろな新技術が、Makerを通して、新たな応用が見つかると信じています。
Maker Faire Shenzhen
2012年に中国で最初のMaker Faireを深圳で行って以来、Seeedはこれまで四回Maker Faireを主催しました 。
私たちは“MADE IN CHINA” “COPY TO CHINA”から“INNOVATE WITH CHINA”へ転化したいんです。現在は全世界のイノベータと協力する機会がますます増えています。
深圳は全世界で一番の製品化に長(た)けたエンジニア集団とサプライチェーンのリソースを持っています。
Makerたちが自分のアイデアを世に出し、ともに製品化していけるとおもっていま。
INNOVATE WITH CHINA
2015年1月、李克强総理はChaihuo hacker spaceを訪問し、Chaihuoの名誉会員になりました。それから、“大衆創新、皆創業”という国家戦略を宣言しました。このスローガンはちょっと言いすぎかもしれませんが、中国は各地のリソースをもっとテクノロジーの発展のために使っていこうと考えています。なかでも深圳はその中心地として、全世界のmakerを歓迎します。
Japanese Makers
これは私が皆さんに何回もshareした日本のビデオです。我々は日本のMakerのハイテクノロジー、クリエイティビティをすごく尊敬していて、ともに歩(あゆ)みたいと考えています。
Maker City for Life
自分も深圳に生まれたわけではなく、移民ですが、、、深圳がとても好きです。深圳は、世界のあらゆるMakerにとって、第3のホームタウン(生まれたところ、いま住んでいるところ、そして深圳)になれると思っています。
強い産業資源があるだけでなく、中国の大都市の中で、緑や青い空がある、環境が一番良い都市です。
皆さんを大歓迎致します。
ぜひ深圳でお会いしましょう。